【TOEFL】リーディングでスコアを上げる学習法はこれだけ!

この記事はこんな方におススメ!
  • 留学に向けて、これからTOEFLを勉強しようと思っている方
  • リーディングで過去問を解いて練習しているのに、20点前後のスコアしか取れず、困っている方
  • リーディングのスコアアップのための効率的な勉強方法を知りたい方

ご覧いただきありがとうございます。英語教育者の永田勝也です。

今回は留学を目指す方の登竜門であるTOEFLに関する内容です。
その中でも、この記事ではリーディングを取り上げます。TOEFLにおけるリーディングは、ほぼすべての方にとって得点源になるパートです。

一方で、過去問をたくさん解いているのに、20点前後しかスコアが取れず、困っている方も多くいます。

そこで、今回はリーディングのスコアアップのための勉強方法や本番で使えるテクニック、さらにさらにおススメの教材までお伝えします。

即効で普段の勉強に生かせる内容なので、1つずつ丁寧に解説していきますね。

TOEFLのリーディングの特徴

リーディングはTOEFLで一番最初に回答するセクションです。
スコアアップのために、まずはTOEFLのリーディングの全体像を確認して、それから戦略を考えていきましょう。

概要

  • 1つの文章は700単語程度で構成
  • 1つの文章につき、10の質問に回答
  • 3つの文章(質問は30個)を54分で回答
  • ダミー問題があれば、4つ文章を読むので72分で回答
  • 出題された文章の内容は、すべて別ジャンルからなることが多い
    (例:歴史×生物×地学)

ざっと概要はこんなところです。
何といってもTOEFLの特徴は、取り上げられるすべての内容がアカデミックな内容なところです。

「3つの文章の中で、歴史の内容は理解できたけど、地学に関する文章は全然読めなかった」

こんなトピックごとの取り組みやすさの違いも、皆さんの好みによって発生します。
ちなみに私は地学の内容が死ぬほど嫌いです。

9つの質問パターン

  1. Factual Information questions(事実の正誤問題 2-5問)
  2. Negative Factual Information questions(事実の正誤問題 *間違い探し 0-2問)
  3. Inference questions(推測問題 1-2問)
  4. Rhetorical Purpose questions(筆者の意図を問う問題 1-2問)
  5. Vocabulary questions(語彙問題 1-2問)
  6. Reference questions(代名詞の指す内容を問う問題 0-2問)
  7. Sentence Simplification questions(ハイライトされた内容の言い換え問題 0-1問)
  8. Insert text questions(1文挿入問題 1問)
  9. Prose Summary (Fill in a Table)(要約問題 *たまに表完成問題もあり 1問)

1つの文章に対して、10の質問に答えますが、質問の種類も様々です。
質問の種類によっては、回答しやすいものもあれば、回答しにくいものもあります。
全体の正答数だけではなく、質問毎の正答数も見てみると、自分が苦手とする傾向をつかむことができます。

難易度

TOEFLのアカデミックな内容に苦戦するのは事実ですが、ぜひ覚えておいてほしいことがあります。

それは、アカデミックな内容の文章も、背景知識がなければ回答できない問題はないということです。あくまでTOEFLは英語の試験であり、回答の根拠はすべて本文に書いてあります。クジラの生態や、地震が発生する仕組みも、正しく英文が読めれば、すべて回答することが可能です。

TOEFLは留学を目指す方にとっての英語の試験なので、当然と言えば当然ですね。
ですが、文章で取り上げられているアカデミックな内容そのものの知識量によって、難易度の感じ方が異なるのは事実なので、背景知識もあれば有利になります。

点数の仕組み

TOEFLは相対評価的に点数が算出されると言われています。この点、TOEICと似ていますね。
ですが、実際には受験直後にリーディングとリスニングはスコアを見ることができますし、約1週間後にわかる正式なスコアでも変更はないようです。

なので、正答数に対して、スコアはすでに決まっていると考えても良さそうです。
各文章の一番最後の要約/表完成問題のみ部分点はありますが、練習では基本的に1問1点で換算し、そのスコアから±2点くらいでスコアを予想しておくことがおススメです。

TOEFLのリーディングで必要な能力

たくさんの学習方法が世の中に溢れていますが、TOEFLのリーディングで必要なスキルはとてもシンプルです。そんなご紹介です。

圧倒的な単語力

  • primate 霊長類
  • dune 砂丘
  • mold カビ
  • lichen コケ
  • kinetic energy 運動エネルギー

これらの単語を見て、テンションが上がる方・・・

おそらくいないと思いますが、どれもTOEFLではおそらく目にすることの多い単語です。

生物系の内容は比較的よく出題されますが、他にも地学、歴史など、幅広いジャンルの文章を読む必要があります。とは言っても、内容自体は義務教育を受けてきた私たちからすると、中学校や高校で習った内容ばかりです。

ですが、そもそも単語がわからなければ、結局内容そのものが理解できません。
TOEFLにおいて、単語暗記は避けては通れない道です。

精読>速読

ETSのTOEFL iBT®無料模擬テストより抜粋

いきなりですが、1問だけサンプルでやってみましょう!回答時間は1分30秒です。

Agriculture, Iron, and the Bantu Peoples

  1. There is evidence of agriculture in Africa prior to 3000 B.C. It may have developed independently, but many scholars believe that the spread of agriculture and iron throughout Africa linked it to the major centers of the Near East and Mediterranean world. The drying up of what is now the Sahara desert had pushed many peoples to the south into sub-Saharan Africa. These peoples settled at first in scattered hunting-and-gathering bands, although in some places near lakes and rivers, people who fished, with a more secure food supply, lived in larger population concentrations. Agriculture seems to have reached these people from the Near East, since the first domesticated crops were millets and sorghums whose origins are not African but West Asian. Once the idea of planting diffused, Africans began to develop their own crops, such as certain varieties of rice, and they demonstrated a continued receptiveness to new imports. The proposed areas of the domestication of African crops lie in a band that extends from Ethiopia across southern Sudan to West Africa. Subsequently, other crops, such as bananas, were introduced from Southeast Asia.

1. According to paragraph 1, why do researchers doubt that agriculture developed independently in Africa?

(A) African lakes and rivers already provided enough food for people to survive without agriculture.
(B) The earliest examples of cultivated plants discovered in Africa are native to Asia.
(C) Africa’s native plants are very difficult to domesticate.
(D) African communities were not large enough to support agriculture.

時間内に回答できたでしょうか。

実際のTOEFLの問題を見てみるとわかりますが、質問は各パラグラフごとに聞かれます。
つまり、答えの根拠もそのパラグラフ内にあるということです。(要約、表完成問題を除く)

そこで、TOEFLのリーディングにおいては、全体の概要をつかむための速読も大切ですが、指定された短い範囲を正確に読めるか、という精読の力の方が必要になる場面は実は多いと言えます。

ちなみにこの問題の回答は、Bでした。皆さん、正解できましたか?

背景知識は練習の過程で身につけていく

すでにお伝えした通り、生物や化学、歴史などの背景知識がないと正解できないような問題はTOEFLにはありません。あくまで、英語の試験だからです。

ですが、背景知識があれば問題をリーディングでもリスニングでも理解しやすくなるのは事実です。そこで、TOEFLの問題を解きながら、内容的によくわからなかったところは、Wikipediaで調べたりして補填していくことが大切です。

ちなみに、これからTOEFLの勉強を始めようという方で、アメリカの歴史の本などから手を出す方もたまにいますが、あまりおススメはしません。優先順位としては、英語そのものの勉強が最初で、その中でわからなかった背景知識を補っていくとスムーズです。

というのも、基本的に、TOEFLでは頻出の分野があるので、公式教材などで学習をしていく中で、その分野の知識も身につけていけるからです。

スコアアップのためにやるべきこと

  1. 単語帳を使って単語の暗記
  2. 公式教材などで実践練習
  3. わからなかった単語はすべて暗記し、意味が100%わかるようにする
  4. 内容も100%理解できるように、必要に応じてググって知識を補填する
  5. 完璧に回答できるようになるまで解き直す

超シンプルですが、これだけです。

(大体ここらへんに回答の根拠があるはず)

TOEICにあるようなこんなテクニックは、基本的にはTOEFLにはありません。
精読のためには何より単語が必須ですし、1文1文確実に読めるようにするという、英語力そのものを鍛える必要があります。

スコアがなかなか上がらない方は、間違えた問題の解説を見て理解した気になり、それで学習を完了としている方が多いです。そうすると、文章で出てきたわからなかった単語や読めなかった文はそのままになってしまいます。結果として、リーディング力は向上していませんよね。

【読めなかったものを読めるようにする】という練習を積み重ねなければ、スコアは上がりません。

そこで、目安としては1つの文章の見直し、正確な内容理解のために、1時間から最大2時間は時間を使いましょう。その結果、英語力としても、背景知識としても身につく学習になります。

直前でも大丈夫!本番でできること

ここでは、TOEFL受験を直前に控えた方に向けて、本番で気を付けるべきポイントやマインドセットをお伝えします。

時間配分をとにかく意識する

リーディングは必ず、1つの文章につき18分で回答し終わるようにしましょう。
各文章ごとの回答時間は表示されず、全体の持ち時間しかPC上には表示されません。文章が3つであれば54分と表示され、ダミー問題を含んでいれば72分と表示されます。

そこで、18の倍数でカウントダウンして、しっかり時間管理ができるようにしましょう。
72分→54分→36分→18分の数字をしっかり覚えて、目の前の文章に使える持ち時間を把握しましょう。

リーディングは難易度順に文章が並んでいるわけではありません。
目の前の文章に20分以上使ってしまい、その次の文章で回答時間が十分に取れなくなってしまう可能性もあります。

目の前の文章ではなく、リーディングセクション全体を見据えて、タイムマネジメントしましょう。

わからない問題は飛ばす

こちらは、タイムマネジメントと重なりますが、わからない問題をずっと考え続けてしまうのはもったいないです。

先述した通り、TOEFLは基本的には段落ごとに質問される形式です。
また、それぞれの質問に関連性はないため、質問1が答えられなくても、質問2は答えられる可能性もあります。

1問につき、1分30秒くらいで回答することを目標にしましょう。
もし2分以上かかりそうなら、その問題は今のレベルでは解けない問題だということです。その場合は、戦略的に取捨選択したほうが良さそうです。

要約問題は全問正解を諦めることも大切

最後に出てくる要約問題は、唯一部分点がある問題です。
選択肢の中から、文章の要約として正しいものを3つ選びますが、全部合っていれば2点配点です。しかし、2つあっているだけでも、1点もらえます。

表完成問題も同様に部分点がありますので、こちらも全問正解にこだわりすぎて、時間を使い過ぎないように注意しましょう。目安は2分程度で回答を終えることです。

そもそも、1つ目の質問から順に回答をしてきた中で、結果的に文章全体の内容を読んだ状態で要約問題に取り掛かることになります。なので、要約問題の選択肢をみたときに、全く見当がつかない状態であれば、部分点を取りにいく気持ちで臨んだほうが、時間を有効に使えます。

これから対策する方におススメの参考書

これからTOEFLの勉強を始める方にとって、一番学習がしやすいのはリーディングとリスニングです。そこで、学習用の鉄板の教材をおススメします。ちなみにTOEFL教材は、TOEICや英検と比べると数も少なく、小さい書店にはない可能性もあるので、Amazonでの購入がおススメです。

TOEFL3800

言わずと知れた王道の単語帳です。
TOEFLの単語帳は基本的にこれ1冊で問題ありません。掲載単語は、目標スコアに応じてRank 1からRank 4までのレベルにわかれています。
80点レベルであれば、最低Rank 2まで、90点前後であれば、Rank3まで覚えるようにしたいですね。
ちなみにリーディングの語彙問題は、Rank 3まで覚えていれば、余裕を持って正解できるはずです。100点超えなら、Rank4も頑張りましょう!

TOEFLテストリーディング問題270 

旺文社から出ている初心者向けのリーディング教材です。
いきなり700単語の本番レベルの文章を読むのではなく、まずは短い文章を確実に読めるようになる練習から始めていきます。
また、背景知識も身につくように、頻出の分野に関する文章も豊富に掲載されているので、これからTOEFLを始めたいけど、実力的に不安な方にはもってこいの教材です。
何より、解説や和訳もしっかりあるので、安心して勉強でき、公式教材に進む前のステップには最適です。

公式教材Official Guide

公式教材と言えば、これ!
各セクションに練習用のSetがついており、かつテスト形式の問題も4回分掲載されています。
ちなみに、濃い青色の日本語版は旧版のものなので、やめておきましょう。最新版の6th editionは、巻末のDigital Access Codeからコンテンツをダウンロードすると、なんとPC上で本番さながらの雰囲気で練習可能です。
全受験者に必須の登竜門的な教材です。ただし、すべて英語で書かれているので、覚悟して購入しましょう。

まとめ

今回はTOEFLのリーディングにしぼって、必要なスキルや学習方法、それからおススメの教材をお伝えしました。TOEFL学習の入り口は、リーディングから始める方も多いはずです。正しく、効率的な学習でスコアアップを目指したいですね。