【海外進学】TOEFL vs IELTS論争に終止符を打ちたい

この記事はこんな方におススメ!
  • 海外進学を考えている方
  • TOEFLとIELTSでどちらを選べばいいか迷っている方

ご覧いただきありがとうございます。英語教育者の永田勝也です。

「TOEFLとIELTS、どちらのほうがスコアを取りやすいだろうか?」

海外進学を考えている方、留学を考えている方なら、必ずこの悩みを抱えるはず。
TOEFLとIELTS論争は永遠のテーマで、どちらの試験を受けるのが出願スコア獲得に最短なのか悩むところですね。ちなみに以前は北米であればTOEFL、イギリス中心にそれ以外はIELTSなんて言われていましたが、今では大多数の大学、大学院でどちらのスコアも受け入れています。
なので、英語力の基準を満たすためには、どちらの試験にするか自分で選択できるんです。

この記事を書いている私は、TOEFL iBTは107、IELTSはOverall 7.0を取得しています。まだまだ自分が発展途上であることは自覚していますが、どちらも英語学習者としてある程度のスコアを取得しています。その経験から、TOEFL vs IELTS論争に終止符を打ちたいと思います。

結論:一長一短で、単純比較は難しい

単純比較は難しい。これが私の結論です。
留学を目指すうえで、大学進学か大学院進学か、さらには進学先のレベルで必要なスコアは変わってきます。そこで、今回は一般的な大学院進学のレベルであるTOEFL iBT 90点、IELTS 6.5を基準に見てみましょう。
ちなみにネットには以下のような換算表がよくのっています。TOEICのスコアは正直全くあてにならないですが、TOEFLとIELTSの比較は妥当な数字だと思います。

出典:文科省「各資格・検定試験とCEFRとの対照表」

また、両試験の比較は様々なサイトがまとめていますので、参考にしてみてください。ただし、どちらの試験をやってみるかは、この記事を読んでから決めてほしいです。

それでもTOEFLから始めてみることをおススメ

どちらの試験をやろうか迷ったら、私はTOEFLから始めてみることをおススメします。理由としては、以下の3つです。それぞれ細かく解説していきますね。

  1. 正確な現状把握がしやすい
  1. スコア獲得のための対策が立てやすい
  1. スコア獲得の選択肢が増えている

正確な現状把握がしやすい

TOEFL

TOEFLの場合TPO(TOEFL Practice Online)という過去問を使った模擬試験を実際の試験環境とほぼ同じで、しかも本試験の約6分の1という金額で受けられる便利なものがあります。TOEFLもIELTSもどちらも非常に高額で、何度も受験できる試験ではありません。一回の受験で2.5万円~3万円近くしますので、可能な限り無駄に受験することは避けたいとだれでも思いますよね。ちなみに2022年4月現在では円安の影響もあって、本試験は3万円を超えていました・・・。

それに対して、TPOは5千円程度の値段(今は円安でちょっと高めですが・・・)で、TOEFLの過去問を使い全セクションのスコアが本試験と同じ120点満点で出せます。スピーキングとライティングは機械採点のみで、人間の採点はありませんが、それでもスコアの妥当性は本試験以外で勝るものはないですし、何よりTPOの仕様自体が本番環境に限りなく近いです。
また、受験後すぐに自分のスコアがわかるため、今後の学習に向けた計画も立てやすいという特徴があります。

https://www.officialtestprep.jp/fs/officialprep/tpo

IELTS

IELTSにも、プログレスチェックというオンラインで受験できる模擬試験が存在します。こちらも金額的には本試験の5分の1程度である5000円弱で受験できる公式テストです。しかしながら、実際のIELTSとは仕様が異なる部分もいくつかあるので注意が必要です。

例えば、スピーキングは対人では当然できませんので、PC上の質問に答えを吹き込むというものになるので、どちらかというとTOEFLのような形式になってしまいます。しかし、実際のIELTSでは試験管に質問を聞き直したり、試験管が自分の回答に応じていろいろツッコんで質問をしてきます。これが難しいところなんですが、プログレスチェックでは当然チェックできません。他にも、メモ帳ツールがなかったり、結果の確認に5日間かかるなど、スコア把握をして計画を練るうえで公開試験と条件が同じではないことはデメリットだと思います。(公式HP内『よくある質問』参照

https://www.ieltsprogresscheck.com/shop-academic/

スコア獲得のための対策が立てやすい

TOEFLは先述した通り、TPOを使用することで現状把握をすることができます。そのスコアは信ぴょう性がかなり高いので、目標スコアに対してのGap(差)も明らかになり、より具体的な対策を考えることができます。

TOEFLのスピーキングとライティングはIntegrated Taskというリスニングやリーディングと組み合わせた問題があるため、どうしてもリスニングとリーディングに体力を使いがちです。ある程度のスコアまではもちろんそれも大切ですが、90点を目指すうえではスピーキングやライティングでもそれなりにスコアをとる必要があります。そのうえで、全セクションの現状を数値化できるというのは、スコアアップの戦略を練るうえで欠かせないものです。

IELTS

それに対して、IELTSはプログレスチェックが本番の環境との違いもあることから、プログレスチェックの結果を基準に学習計画を立てることが必ずしも正しい方向に進むとは限りません。また、IELTSという試験の特性から、スコアから読み取れないこともあるので注意が必要です。IELTSは0.5刻みでスコアが算出され、Overallのスコアは繰り上げて算出されます。
例えばOverallが6.0だったとして、平均が5.75で繰り上げて6.0になった場合もあれば、平均が6.125から繰り下げて6.0になっている場合がありえます。つまり、スコアが表す実際の実力の幅が広いということですね。

IELTSはOverallのスコアで0.5UPさせるのに、最低100時間以上、中には300時間程度かかるともいわれています。つまり、スコアに幅があるからこそ、あとどれくらい学習すれば目標スコアがとれるのかという学習計画が立てずらく、かつ、スコアの評価もしにくいというデメリットもあります。
留学先に出願するまでの期間はあとどれくらいあるか。そこから逆算して学習計画を立て、実行していくうえで、学習計画は言わずもがな必須です。同時に、進めながら正しく現状を把握しての軌道修正も欠かせないものです。この点はやはりTOEFLに軍配が上がると思います。

スコア獲得の選択肢が増えた

昔のTOEFLはとてつもなく批判されていました。というのも、TOEFLの公開試験は試験会場に到着した順からスタートするため、自分がリスニングに取り組んでいるときに、隣の受験者が「I live in Tokyo.」と大声で連呼し、スピーキングをしていることがほぼ100%起こりえます。初めて受験したとき、(こんな環境でリスニングできるかっ!!)と思っていました。つまり、純粋に英語力以外で勝負する必要もありました。

試験会場のサンプル

しかし、今ではTOEFLはHome editionという自宅受験も可能になっています。受験費用も同じですが、スコアの有用性はもちろん同じです。さらに、My Best Scoresという制度により、過去2年間の受験した結果の各セクションのスコアを組み合わせて、一番高いスコアを出すこともできます。(※ただし、出願先によってはHome editionやMy Best ScoresをAcceptしない可能性もあるので、必ず確認をしましょう。)

英語力以外で勝負する必要があったTOEFLの環境も、コロナの影響により変わりつつあるんです。ちなみにIELTSは一斉受験でペーパー試験ですが、こちらも同様PC上で受験できるようになりました。

まとめ:スコアのための学習は長期戦を前提

どちらの試験においても、目標スコアは一発でとれるものではありません。
基本的には半年から1年程度の時間をかけてスコア達成を目指していきます。そのうえで、学習が正しく継続できるかという観点から見ると、やはりTOEFLから始めてみるのがおススメです。例えば2か月程度TOEFLを全力で勉強し、TPOを毎月実施し、その結果を見ながらスコアの伸びと学習内容を照らし合わせて軌道修正をしていく。それを踏まえて、どうしてもTOEFLの学習が成果につながらない場合は、IELTSを選択肢に入れても遅すぎることはありません。

ちなみにIELTSとTOEFLではそれぞれ鉄板的な存在の単語帳があります。
当然すべてが同じというわけではありませんが、基本的に共通している単語もかなり多いです。なので、仮にTOEFLの単語帳をある程度進めた後でIELTSに移ったとしても、すでにTOEFLで覚えた単語はIELTSの学習をするうえで、デメリットになることはまずありえません。むしろアドバンテージだと思います。

補足:正答率も考慮して選ぶ必要あり

ここまでの話を踏まえても、TOEFLのアカデミックな内容に抵抗がある方も多いのは事実で、実際にそれが原因でIELTSを検討する方に多く出会いました。IELTSはアカデミックな内容もありますが、リーディング以外では基本的に一般的な場面を取り上げていますので、取り組みやすさは正直TOEFLを上回っていると感じます。それでも、安易にIELTSを選択せず、問題を実際に解いてみることをおススメします。なぜなら、IELTSの問題の特徴として、TOEFLよりもLogical ThinkingやCoherence(一貫性)が求められるという点があり、取り組みやすさ=正答率の高さとは限らないからです。具体的に説明しますね。

リーディングの例

TOEFL

TOEFLのリーディングは確かに内容としては読みにくいかもしれませんが、しょせんは英語の試験なのでアカデミックな知識はなくても問題ありません。あくまでアカデミックな背景知識は知っていれば有利になる、という程度なのです。すべて答えは本文に書いてありますし、回答はパラグラフごとに質問に答えていく形式です。結局全体の設問数に対しての正答率で見ると、回答のしやすさという点では、TOEFLのほうが実はシンプルだったりします。

IELTS

IELTSのリーディングの問題の特徴として、本文との内容一致問題の場合、Yes/Noに加えてNot Given(言及なし)という選択肢があることです。NoとNot Givenの判別が論理的にできるか、非常に難しいところです。さらに、パラグラフごとのタイトルを選ぶ問題もあり、同じ選択肢は一回しか使えないという条件もあったりします。当てずっぽうで答えると、正答率は確実にダダ下がりします。このように、純粋な国語力が問われることも特徴です。

スピーキングの例

TOEFL

TOEFLのスピーキングはPCに向かって話します。4つあるタスクのうち、1つ目は単純に意見を述べるものです。残りの3つはIntegrated Taskといって、リスニングやリーディングと組み合わせ、それらの内容を描写するものです。PCに向かって話すという点、Integrated Taskが好みではないという方も一定いると思います。ここであえてTOEFLスピーキングのメリットをあげるとすると、練習は一人である程度できるという点です。

なぜなら、自分が発した内容に対して追加の質問がくることはないからです。要は言ったもの勝ちだということですね。そこで、基本的にはひとり言英会話で自分の発話を録音して修正を繰り返すことで、対策はできてしまいます。問題例もタスクによりますが、ネット上にたくさん落ちていますので、結果的に対策がしやすいという特徴があります。

IELTS

それに対してIELTSのスピーキングは、試験管との実際の会話をする必要があります。3つタスクがあり、1つ目はスモールトーク的な内容で、2つ目は指定されたトピックに対しての描写ですので、そこまでTOEFLと大差はないです。しかし3つ目のタスクは対策が非常に難しいという特徴があります。

このタスクでは2つ目の内容に関連して、ある程度用意された質問があるとは思いますが、試験管が自由度高くツッコんだ質問をどんどんしてきます。その場での頭の回転も必要ですし、そもそもの対策としての準備が難しいのは事実です。ひとり言英会話での練習では限界があるため、オンライン英会話などで練習が必要になりますが、そもそもIELTSに精通している講師を見つけるのも大変です。結果的に、スピーキングでスコアをとるためにはかなりの練習時間とコストが必要になります。

まとめ

ここまで長々と記事にしておいて雑な結論ですが、結局のところ、それぞれの試験は一長一短なので、とにかくどちらか選んで勉強を始めてみましょう。そして、迷うのであればTOEFLから勉強を始めてみてください。少なくともこれから勉強を始める方の場合は、どちらの試験を受けるかで迷うこと自体、時間がもったいないと思います。

ここで、それでも迷っている方に一点追加でお伝えします。スクールで対策を希望する場合、TOEFL対策をしているスクールに相談すると、当然のことながらIELTSよりもTOEFLを押しますし、IELTS対策をしているスクールはその逆です。結局は自分が問題を解き、その正答率やスコアを見てみなければわかりません。

まとめると、迷わず行けよ。行けばわかるさ。そういうことです。ではまた次回!