- TOEIC学習を独学で始めるのに不安がある方
- 使う教材や学習期間など、進め方に迷っている方
- 最短で最大の成果を出したいと考えている方
ご覧いただきありがとうございます。英語教育者の永田勝也です。
皆さんは英語のテストと言えば、何を思い浮かべるでしょうか。
おそらく9割以上の方はTOEICではないでしょうか。
今は大学生はもちろん、ビジネスパーソンにとっても必須の試験へと変わりました。TOEIC学習に対する需要が一番大きいのは、英語系スクールの裏側としても事実です。
ちなみに企業によってはTOEICとお金が大きく関わっています。
企業名 | 要求されるスコアと報奨金 ※一部抜粋 |
---|---|
ソフトバンク ※2013年~2015年で終了 | 800点取得で30万円 900点取得で100万円 |
大和ハウス工業 | 700点取得で5万円 800点取得で10万円上限での学習補助 900点取得で20万円の海外旅行 |
レンゴー | 730点取得で10万円 860点取得で20万円 940点取得で30万円 |
そこでこの記事では、これからTOEICに向けて勉強をする皆さんの助けになればと思い、TOEIC学習のロードマップを共有します。
ちなみにこの記事を書いている私は、こんな実績を持っています。
- 全受験者の上位3%くらいに位置する950点を取得
- ECCやトヨタ自動車、PRESENCEでもTOEICコースを担当
- TOEICコースのカリキュラム作成も担当経験あり
- 最高スコア伸長は315点(445点→760点)アップ ※ECCの2か月コース
目次
TOEIC学習ロードマップ① 学習期間と学習時間
ここでは、皆さんはすでに目標スコアを決めていることを前提として進めていきます。
まず最初に決めるべきはTOEICの受験日です。当然ですね。
終わりなくして、学習計画は立てられません。受験できる日が限られているという方は除いて、目標スコアのために必要な学習期間を踏まえてTOEICの受験日を決める必要があります。ただし、学生の方と社会人の方では状況が異なりますので、それぞれ分けて説明していきます。
(社会人)現実ラインは3か月を1クールに
社会人の方は、仕事と英語の勉強を両立することに加えて、ご家庭を持っている場合は、家族との両立も必要になります
そこで、1日の学習時間の目安は1時間から1.5時間程度とし、1週間では10時間程度を目指しましょう。そうすると、3か月間で単純計算で120時間をTOEICに充てることができます。
この生活を半年継続するというのは・・・
正直かなり苦しいはずです。
いろいろなものを犠牲にして勉強時間を確保することも必要になるはずです。そういったライフスタイルをずっと継続することはできず、必ずリバウンド的な反動が起きてしまいます。
だからこそ、期限を決めて取り組むことが必要です。
(学生)超短期の2か月がおススメ
学生の方は、比較的時間をコントロールしやすい状況にあるはずです。アルバイトやサークルの飲み会など、この2か月間はうまくかわして、勉強に時間を充てたいですね。
学習時間の目安としては1日2時間から2.5時間程度で、1週間では15時間の確保を目指します。そうすると、2か月間で同じく120時間の確保ができる計算になります。
ここで注意ですが、大学の試験の存在を絶対に忘れないようにしましょう。
可能であれば夏休みや春休みの連休をうまく使って、大学の試験と重ならないように集中して勉強するようにしたいです。
2か月という超短期でギュッと詰め込んで勉強できるように、受験日を設定しましょう。
学習時間とスコアアップの関係
50点スコアアップするのに、どれくらい勉強すればいいの?
こんなことがわかれば、勉強のやる気も上がりませんか?
厳密に、●●時間勉強すれば、〇〇点上がる!というのは、現状のスコアによるので一概には言えません。ですが、大体の目安はあるのでお伝えします。
- スコアにつなげるために必要な学習時間:最低50時間
- 100時間の時間投資によるスコアアップ:50点~100点
経験則的なデータではありますが、割と正しいデータだと思います。
例えば1週間くらい勉強して、スコアにすぐつながるかというと、これは難しいです。50時間くらいは時間投資が必要です。
また、100時間くらい勉強すると、現状スコアが400点程度の方は100点近くすぐアップすることもあります。逆に、すでに600点から700点くらいを持っている方は50点程度のアップになることが多いです。
参考値程度ですが、学習時間の投資をしないとスコアにつながらないという大前提を改めて認識しましょう。
TOEIC学習ロードマップ② 使用教材
AmazonやYouTubeなどを見てみるとわかりますが、TOEICの教材が世の中に無限にあります。
そして、選択肢が多いからこそ、逆に選べないという『選択のパラドックス』が起こってしまいます。
批判を恐れずお伝えすると、使う教材はぶっちゃけどれでもOKです。
ただし、次のカテゴリーにあてはまるものは必要です。
- 単語帳(スコア別になっているもの)
- Part5の対策問題集(解説がしっかりしているもの)
- 目標スコアに応じた教材(例:始めてでも〇〇点が取れる本)
- 公式問題集(できれば最新版を購入)
教材を選ぶ基準は直感!?
単語帳を例にとって考えてみましょう。
730点を目指しているのに、大学受験の単語帳を買うのは得策ではありません。逆に、730点レベルの単語帳として出版されているものであれば、中身には大差はないでしょう。『TOEIC対策』として出版されている以上、どの教材もその道のプロたちがしっかり作ったものです。
では教材選びのポイントは何か。
それは実際に書店に行って、教材を手に取り自分で中身を見てみることです。例えばPart5の文法に関する問題集であれば、見るべきポイントがいくつもあります。
- 解説の丁寧さとわかりやすさ
- 問題内の単語もできるレイアウトか
- 十分な演習問題があるか
- 持ち運びに適したサイズ感か etc.
自分にあう教材は自分で選ばなければなりません。教材は使い倒すことが前提だからです。
単語帳であればおそらく5周はしないと覚えられないでしょう。文法の問題集も、答えを丸暗記するくらいまでやりこまないと、スコアにはつながりません。
大切なのは教材をどう使うかであり、何を使うかではありません。
自分に合う教材というのはそれぞれ好みがありますので、自分で手に取ってみなければわかりません。Amazonのレビューばかり見て、良い教材を探すことに必要以上に時間を使ってしまうことのないようにご注意を。
TOEIC学習ロードマップ③ 学習の優先順位
2か月、あるいは3か月の学習期間の中で、何をどんな順番で進めていくか。
ここには当然戦略がありますので、そんな学習の優先順位を説明していきます。
フェーズ1:基礎固め(3週間~1か月)
まず最初にやるべきは、単語暗記です。
とにかく1つでも単語を覚える必要があるので、学習期間中ずっと続ける必要があります。単語暗記に魔法はありませんので、単語帳を基礎固め期間に8割程度完成させましょう。そして、のこりの期間は延々と忘れないように復習です。
単語に加えて、文法も最優先して取り組むべき内容です。
今後取り組むすべての練習において、文法の知識がなければ理解できません。リスニングも、文法の知識がなければスクリプトの理解がそもそもできません。Part5の問題を通して、徹底的に文法理解に時間を割きましょう。
フェーズ2:実践練習(3週間~1か月)
ここからは、TOEICに特化して練習をしていきます。
公式問題集を使って、現状の予想スコアを出しましょう。自分の課題が明らかになります。もちろん解いたあとは、徹底して全パート復習と反復練習をしていきます。
ただし、復習する際には注意が必要です。
満点をゴールにしているわけではないので、公式問題集の予想スコアを参考に、自分にとって必要な正答数を把握しましょう。そして同時に、間違えてもよい問題があることを知りましょう。
そんな間違えてもよい問題を知ることができるのが、スコア別になっている問題集です。
スコア別の問題集は、最初から問題の取捨選択がされています。スコア別の問題集と公式問題集を通して、1問でもできる問題を増やしていきましょう。
フェーズ3:仕上げ(2週間~3週間)
最後のフェーズは、とにかく本番形式に慣れることが必要です。
公式問題集を使って2時間ぶっ通しで何度も解く。場合によっては、苦手なPartの問題集を追加することもできます。
本番は2時間の一発勝負で、当然ながら試験中は休憩もありません。
時間の使い方はもちろん、集中力の維持も大切です。問題を解く際の目の動かし方も含めて、実践練習で生かせる力は、実践練習の中でしか身につきません。
ただし、実践練習で解いた問題を理解するためには、フェーズ1の知識が必須になります。なので、いきなり実践練習ばかり繰り返している方は、スコアが上がらないことも珍しくありません。わからなかったことがわかるようになる。そうして初めてスコアは上がります。
【注意】これだけはやっちゃダメ!
教材の問題の箇所は常に真っ白な状態にしておくこと。これは守りましょう。
教材は使い倒すことが前提という話をしました。問題側にメモなどを書き込んでしまうと、反復した際に自分の理解度を正確に把握できなくなってしまいます。
そのためには、必ず書き込みは解説側にするようにしてください。答えやメモを見たらわかるレベルではダメなんです。問題を見て、確実に正解がわかるレベルになりましょう。
まとめ
目標スコア達成に向けて、まず今日から何をすべきかクリアになったでしょうか。
TOEIC学習は戦略があります。
闇雲に手当たり次第に教材を進めていくのでは、最短で最大の成果にはつながらないかもしれません。
今回お伝えしたロードマップを参考に、目標スコアをぜひ達成しましょう!
ではまた次回!
おまけ:自分語り
私が18歳の大学1年生のときに最初に受検したTOEICのスコアは今でも覚えています。385点というスコアでした。全く勉強していなかったので、当然と言えば当然ですね。
そこから独学で勉強した結果、585点、670点、そして3回目の受験で815点を取ることができました。当時は学生でしたので、毎回の学習期間は2か月で設定していました。
スコアアップに楽な道はありません。そして、そんな魔法のような教材もありません。地味ですが、コツコツ積み重ねていく泥臭い努力は必須です。
ただし、効率化の観点からこの記事で説明したような取り組む順番は大切です。効率化という言葉に惑わされ、楽してスコアが取れるということではありません。学習時間の投資を忘れないでくださいね。
ちなみにTOEICのスコアと英会話の関係もまとめていますので、こちらもどうぞ!