ご覧いただきありがとうございます。英語教育者の永田勝也です。
英会話の練習をしている皆さん、『独り言英会話』が効果的だという話を聞いたことがありませんか?Atsueigoさんを始め、有名な英語系Youtuberの方もたくさん独り言英会話に関して動画を出しています。
「独り言の英語で、本当に英語が話せるようになるの?」
それでも、中にはこのように半信半疑な方もいるかもしれません。
ですが、先に結論をお伝えしてしまいます。
独り言英会話は本当に効果がありますし、その効果は科学的にも認められています。
いつでもどこでも、自分の気が済むまで練習できちゃう最強の練習方法である独り言英会話のあれこれ、今回もサルワカでしっかり徹底検証していきます。
この記事を読んだ瞬間から実践に移せる内容です♪
そして、皆さんには記事の最後に宿題を出しています。ぜひ最後まで読んで、宿題を実施してくださいね。
目次
独り言英会話=リハーサル
独り言英会話で英語が話せるようになる仕組みとは?
それは、英会話のリハーサルになっているからというのが大きな理由です。
例えば、プレゼンやスピーチをする際に、実際に声に出して練習をしませんか?その際に、練習をすることで本番でも自然と口から言葉が出てきやすくなりますよね。
ここで、よりわかりやすくリハーサルの効果が理解できるように、顕在記憶と潜在記憶という2つの知識を例に出して説明していきます。
顕在記憶はYouTubeと同じ!
最近YouTubeで発信しているスポーツ選手ってたくさんいますよね。
私は格闘技が好きなので、いろいろな格闘家が出しているスパーリングや技術解説の動画を見ることが多いです。動画を見たときは、「なるほど!」と思うのですが、いざジムで実践に移してみると全然できません。(笑)
こんなはずじゃなかったのに・・・。
そう思うことも少なくないのですが、この現象はなぜ起こるのでしょうか?
顕在記憶とは要するに『知っている』という知識を指します。
(一応)体の動かし方を理解しても、その知識を実際に使えるかどうかは別ですよね。『やってみる』という段階においては、とにかく意識的に体を動かすことが必要で、結果的にぎこちない動きになる訳です。
潜在記憶=無意識に体が覚えている状態
みなさんは自転車・・・
乗れますか?
もし乗れない方がいたら、すみません汗。
自転車に乗る際に、体のバランスのとり方や、左右のペダルをこぐ順番を意識しているでしょうか?
おそらくすべての方が無意識的にやっているはずです。先ほどの格闘技の例でも、プロの皆さんは無意識的に体を動かしているわけですね。
このように、意識せずとも勝手に体が覚えているような知識を潜在記憶と言います。
英語で必要なのはどっち?
英語を話すなら、当然ながら潜在記憶としての知識が必要です。
(まず文を作るから主語が必要で、主語は”I”を使おう。次に動詞が必要で・・・)
こんなことを英会話の際に考えていたら、当然ながら全く話せずに終わってしまいます。さすがにここまでは考えないかもしれませんが、英語は私たちにとって母語ではないので、単語や文法など少なからず意識的に考えて話しています。
逆に、日本語を話す際はどうでしょうか。
例えば、「は」や「が」の違いなんていちいち考えずに話すことができますよね。このように無意識に使える状態を目指すこと。これがスムーズな英会話のためには必須なんです。
そして、そのために必要なのは、単語帳や文法書で覚えた知っている知識(顕在記憶)を使える知識(潜在記憶)にすることです。これを自動化と言います。
では、どうすれば自動化させることができるのかというと・・・
反復あるのみ!圧倒的な根性論!(笑)
でも、これは事実で、何度も使っていく中で、無意識的に使えるようになっていきます。
プロのスポーツ選手も、最初は何度も繰り返し、結果的に無意識的に体が動くようになったように、英語も何度も単語や文法を使っていくことで、無意識的に使えるようになります。
そこで、絶対的な練習量が必要になります。これだけの練習量を毎日1回25分のオンライン英会話だけで賄うことは難しいですよね。だからこそ、いつでも話せる独り言英会話で実際に話すプロセスを経験することで、使える知識(潜在記憶)にすることができるんですね。
- 独り言英会話はリハーサル
- 実際に口に出して話すことで、知っている知識が使える知識になる(自動化)
- 独り言英会話で自動化のために必要な練習量を確保することができる
独り言英会話を効果的にやるなら、コレ!
独り言英会話の効果はしっかり理解できたので、具体的に何を話せばいいのか。そんな超実践的な内容を共有していきます♪
日常生活の行動を英語で描写
いったんリモートもストップして、ちょっとコーヒーでも飲んで休憩しよう。
それからYouTube見て、ネットニュースをチェックしようかな。
・・・うわ!円安ヤバ!せっかく海外も行けるようになってきたのに。
年末どうしようかな。
こんなリモートワーク中の一コマを英語で全て表現できるでしょうか?
特別な話題である必要はないので、日々の生活で自分の思考を英語で表現してみましょう。間違えても、言葉に詰まっても大丈夫です。独り言ですから。
それから、シャワーを浴びながら一日の出来事を振り返る『独り言日記』もおススメです。会社であった嫌な出来事も、もしかしたら独り言日記のネタになるかもしれません。
効果を最大化させるアイテムはスマホ
スマホは独り言英会話のレベルを上げてくれる最強のツールです。
先ほど紹介したようなつぶやき系の独り言英会話ももちろん素晴らしい練習なんですが、ある程度まとまった内容を話す練習も必要です。
TOEFLやIELTS、英検などの資格試験を受ける予定の方はもちろん、仕事で英語のプレゼンやスピーチがある方、最初の自己紹介でバチっと決めたい方など、自信を持ってスラスラ話したいですよね。
そこで、スマホの音声録音を有効活用しましょう。
例えば1分間話すとします。その内容を録音して、自分でその音声を聞いてみましょう。そうすると、必ず発音や文法、単語など自分で修正できるところが見つかります。そこで、それを修正して、意識的にもう一度話してみます。
こんなことを繰り返していくと、最終的には無意識的に使える潜在記憶にしていくことができます。
あえてこの練習のデメリットを挙げるなら・・・
自分の声を聞いたときに、想像とGapがあり過ぎて恥ずかしい。
唯一これくらいです。
独り言英会話だけで英会話は十分!?
独り言英会話で身につけた英会話力は、そのまま実践で使えるのか。
これは『場合による』というのが結論です。
というのも、実際に会話をスムーズに進めるうえでは様々な要因が重なりますし、中には英語力と関係ないものもあるからです。おそらく日本人にとって一番ハードルになると思われるのは緊張感でしょうか。
外国人と対面で話すことに慣れていなければ、リラックスして話すのは難しく感じるはずです。
日本語でも、初対面の方と話すときに緊張していつもより噛んだり早口になることはありませんか?
私もけっこうそんなタイプですが、相手を目の前にして話すということに関しては、対面でのコミュニケーションという意味である程度の慣れは必要になります。
また、実際の会話では、自分が予想していない流れに会話が展開していくことも当然ありますし、相手との様々なやりとり(Interaction;インタラクション)が発生します。自分が話した英語が伝わったかどうかも、相手のリアクションを見て初めてわかるものです。こういった練習は、やはり場数を踏むしかありません。
ですが、独り言英会話のリハーサルをしておくことで使える知識が増え、少しでも自信を持って実践練習に挑めるのは事実です。そして、実際の会話では予想通りにいくことも、予想通りにいかないことも経験しながら、伝えたいメッセージを伝えあう。
実際にそのメッセージが伝わったときの嬉しさが、なんといっても英会話の醍醐味だと思います。
まとめ
今回は独り言英会話の科学的な効果と具体的な練習方法を共有しました。
今ごろ皆さんは独り言英会話をやりたくてウズウズしているはずなので、ここで宿題です。ぜひこの記事の感想を独り言で英語で話してみてください。話す時間は1分にしましょう。
Begin speaking now!
(補足)英語教育の道を目指す方はもちろん、英語学習者としても言語習得のメカニズムを知ることができる入門書のような本です。ぜひ読んでみてください。