ご覧いただきありがとうございます。英語教育者の永田勝也です。
皆さんは英会話の練習を始めるなら、英語のネイティブスピーカーの先生を選びますか?それとも、フィリピン人に代表されるノンネイティブの先生を選びますか?
対面、オンライン問わず英会話を学ぶ環境はたくさん世の中にあふれていますが、ネイティブの先生とノンネイティブの先生でどちらを選ぶか迷いますよね。
もちろん費用面では圧倒的にノンネイティブの先生のほうがコスパ(費用に対してのレッスン時間)が良いのは事実です。ですが、金額以外でどんな違いがあるのか、それぞれの特徴をしっかり理解して自分にあった環境を選びましょう。
ちなみにこの記事で表現しているネイティブとは、英語が公用語として話されているアメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドを指しています。
目次
英会話はインプットであり、アウトプットでもある
英会話の練習というと、とにかくアウトプットの練習!と考える方がたくさんいます。
もちろんその通りなんですが、同時にインプットの機会でもあるということを知っておきましょう。会話は1人ではできませんので、相手の話を聞きながら進める必要があるからです。
当たり前ですが、相手の英語を聞いて理解できなければ、それぞれが自分の言いたいことをただ主張するChaos(※発音注意です)な状態になってしまいます。
レッスンで自分が話す量(アウトプット)の観点から
まずはアウトプットに関して先に注目しましょう。
結論から言うと、ネイティブの先生とノンネイティブの先生のどちらを選んでも、皆さんが話す英語の量は基本的には変わりません。なので、アウトプットの機会としてはどちらも同じです。
例えばディスカッションをしようと思い、(今日は最近のニュースについて話そう!)と思って準備していたとします。ネイティブの先生であっても、ノンネイティブの先生であっても、おそらく皆さんは自分が準備した内容を話しますよね。なので、純粋にアウトプットで見たら特に差はありません。
ただし、会話では話す相手によって無意識的に自分の話し方が影響を受ける可能性があることは自覚しておきましょう。
ちょっと極端な例ですが、大人が赤ちゃんに話すときには自然と赤ちゃん言葉を使いますよね。周りがドン引きするぐらい親バカな話し方をしている方もいます。(褒め言葉です)
他にも、意識的に相手に合わせて敬語を使い分けるということもありますが、これらは無意識的に起こる場合もあります。
ちなみに、日本人同士で英語を話していると発音にまったく意識が向かないという現象がよく起きます。これは、日本人同士だと日本語アクセント全開の英語でもお互いに意思疎通がとれてしまうので、発音に意識を向ける必要がなくなってしまうからです。ですが、話している本人は自覚していないことがほとんどです。
レッスン内で知識の学び(インプット)の観点から
インプットに関してはどちらの先生を選んでも、レッスン内で先生が話す量は変わりませんが、質では違いが見られます。
そもそも、フィリピンなどのように第二言語として英語が公用化されている国では、基本的に多言語を話す民族同士で意思疎通をとれるように英語が使われている背景があります。なので、英語ではシンプルに表現することを好みます。
それに対して、ネイティブはありとあらゆる場面で英語を使って生活しているので、シンプルなことから複雑なことまで表現できます。当然と言えば当然ですね。こういった違いがどこまで英会話レッスンに表れるかはさておき、ネイティブとノンネイティブでは話す英語に違いがあるということは事実です。(優劣という意味ではありません)
そして、レッスン内で先生が使った単語やフレーズ、さらには発音なども含めた先生の話し方を皆さんは意識的に覚えることもありますし、無意識的に身につけていくこともあります。なので、先生が話す英語の質が違えば、レッスンを受けている皆さんのインプットにも多少なりとも違いは出ます。
実体験としての例ですが、先日オンライン英会話のeigoxで英会話を練習しているときに、自分が”as if it were yesterday”というフレーズをスラスラ言えていることに気づきました。このフレーズは、別のレッスンで先生が思い出をトピックに会話していた時に使っていたものです。無意識的に自分の中の使える知識としてのインプットにしっかりなっていたと自覚した瞬間でした。ノンネイティブとの会話では、全員がこういった仮定法のような表現を使いこなせるわけではありません。
また、音声面も無意識的に身につく要素が大きいと思います。
例えば英語圏に留学をした場合に、リスニングが伸びなかったという方はほとんどいません。なぜなら、意識せずとも英語圏にいれば、日々英語を耳にし、無意識的に英語の発音やイントネーション、音声変化などに触れているからです。もちろんそれだけの量の確保も大切ですが。
それに対して、数年間住んでいても、実は英語があまりうまく話せるようにならないという人はけっこういます。話すためには、意識的にアウトプットしないといけないからですね。
インプットとアウトプットのまとめ
ネイティブの先生とノンネイティブの先生のレッスンで皆さんが得られるものをまとめると、こんな感じです。
先生の種類 | アウトプットの量 | インプットの量 | インプットの質 |
---|---|---|---|
ネイティブ | ◎ | ◎ | ◎ |
ノンネイティブ | ◎ | ◎ | ○ |
結局どっちを選べばいいの?
インプットとアウトプットにわけて考えると、インプットには差があるということがわかりましたが、その差をどれくらい考慮すべきでしょうか?
- ネイティブの先生を絶対選んだほうが良い方
- ノンネイティブの先生を選んだほうが良い方
そんな選ぶべきポイントを見ていきましょう。
ネイティブの先生を選ぶべき人はこんな人!
- 英語の資格試験でスピーキングの練習をしている方
- とにかくネイティブライクな表現を増やしたい方
- 英語上級者の方(参考:TOEIC900点以上、英検1級、TOEFL90点、IELTS6.5)
資格試験などで、自分が使う英語表現そのものが評価される場合はネイティブの先生を選びましょう。文法的に正しい文章だけではなく、英語として自然かという観点で評価されるため、練習が必要です。その場合は、ネイティブの先生のほうがインプットの機会としては役立ちます。
また、英語上級者の方で英語力を向上させたい場合もネイティブの先生のレッスンが良いと思います。上級者のレベルになると、ビジネスの場面でも自分が話すという点においては基本的に持っている知識で表現できないことがありません。
一方で、それ以上の表現の幅を広げていったり、より自然で適切な単語や表現、発音などは意識的にも学んでいかないと身につきません。インプットの質を考えると、ネイティブの先生のレッスンのほうがメリットは多いですね。
ノンネイティブの先生を選ぶべき人はこんな人!
- これから英語が話せるようになりたい方
- 仕事や生活において英語を話す環境にすでにいる方
- 英語力を維持させることが目的の方
仕事などで日常的に英語を話す機会がある方は、ネイティブのレッスンにこだわる必要はありません。
日常で英語を話す相手がネイティブである場合、皆さんがシンプルな表現を使っても、ネイティブライクな表現を使っても理解してくれるはずです。
仮に話す相手がノンネイティブだとすると、コミュニケーションは簡潔でシンプルな表現を使って意思疎通をすることが多いです。というか、自然とそうならざるを得ません。その環境で、ネイティブの先生とのレッスンで覚えたフレーズや比喩表現などを使っても、ノンネイティブの相手には伝わらない可能性があります。
つまり、ネイティブと仕事で話すから、練習もネイティブとする必要はないということです。
もちろんレッスンがリスニング練習になるのは間違いありませんので、リスニング含めてインプットとしての練習か、自分が話すためのアウトプットとしての練習かで先生を使い分けましょう。
また、英語上級者の方や留学帰りなどで英語力を維持させることが目的の場合、皆さんが話すアウトプット量を確保すればOKなので、ネイティブにこだわる必要はありません。
まとめ
ネイティブの先生とノンネイティブの先生の使い分け、クリアになったでしょうか。
コスパの観点から使い分けているという方もいるかもしれませんが、それぞれのレッスンで得られるものと自分の目的を考えてみましょう。必要に応じて、英会話の学習に投資も考えるといいかもしれませんね。
私が受講しているオンライン英会話のeigoxでは、フィリピン人、日本人、ネイティブを予約するときに選択することができるので便利ですよ!レアジョブからのりかえましたが、私は今のところ大満足です。
皆さんの英会話学習の参考になりますように。ではまた次回!