ご覧いただきありがとうございます。英語教育者の永田勝也です。
今回の記事では、留学に向けてTOEFLの学習をされている方にWritingのポイントをお伝えします。
TOEFLのWritingは問題のタイプが2つありますので、今回は前編としてTask1; Integrated Taskの問題を、私が作成したオリジナルのサンプルアンサーとともに公開します。
ぜひ著作権フリーでテンプレートとして活用してください♪
目次
Writing Task1の問題とは?
Task1はIntegrated Taskと呼ばれています。
“Integrated”は『統合的な』という意味なのですが、その名前の通り純粋なWritingの力だけでは勝負できないのが特徴です。他の技能とかけあわせたと問題になっています。
Task1は以下のような流れで進みます。
- アカデミックな内容に関する文章をReading
- その内容に関連する講義をListening
- ReadingとListeningの内容を150~225wordsでまとめるWriting(20分)
スコアと単語数の目安
あくまで参考程度ですが、いわゆる純ジャパの方々がTOEFLを受験すると以下のようなスコアと単語数になります。Writingの目標としてぜひ参考にしてください。
目標スコア | Wでの目標スコア | 目安の単語数(Task1) |
---|---|---|
100点 | 25点以上 | 250 ~280 words |
90点 | 22点 | 220 words程度 |
70点 | 18点 | 180 words程度 |
ちなみに、単語数が多ければスコアが高くなるということではありません。
高得点を取得する方は、必然的にReadingとListeningの内容の理解度も高いので、それらをWritingで書いていくと、結果的に単語数が多くなります。
なので、まずはWritingで18点を目指す方がとにかく単語数を増やそうとして無理やり220words書いてもおそらくスコアは上がりませんので注意しましょう。むしろ、内容に関係ないことであればスコアが下がる可能性すらあります。
Taskをしっかりこなせる力がある方は、結果として単語数が多くなる。
採点に関する注意
Writingセクションでは、Task1とTask2がどちらも同じ配分で採点されるということに注意しましょう。目指すスコアにもよりますが、2つのタスクでどちらもしっかり書けるようにならないとWritingのスコアは思うように上がりません。
ちなみにTOEFLとよく比較されるIELTSも同様に、Writingには2つのタスクがあります。(タスクの詳細は割愛)ところが、IELTSの場合は2つのタスクの採点の配分はTOEFLのように1:1ではなく、1:2になります。なので、より配点が重いタスクに注力する勉強が必要になります。TOEFLとは仕組み、それから学習の戦略の意味でも異なるので要注意です。
28点を取得した私のサンプル公開
前置きはここまでにして、Official Test Vol.2のTest3に実際に取り組んで作成したサンプルを公開します。私が作成したサンプルも少なからず修正できるところがあるとは思いますが、それなりのスコアを取得していますので、参考になるのは間違いないと思います。
このサンプルだけを見ても内容的にはわからないことばかりかと思いますが、あくまで構成や展開の仕方を中心に解説していきます。
Both the article and the lecturer discuss the impact of modern people’s habit of reading less literature. The article insists that the trend brings about some disadvantages whereas the lecturer refutes them.
First of all, the article states that the decline of reading literature in the contemporary world provides no intellectual stimulation that literature does. Literature is very helpful for readers to build their imaginations or understand language. However, the lecturer refutes this by stating that literature is not the only thing that gives us stimulation. She says that other forms of written language such as science fiction stories or political analysis can make it possible for people to gain intellectual stimulation. In addition, those are well-written with high quality.
The next contradictory point is how people spend time. The article claims that the less time people spend for reading literature, the more time they spend for on trivial forms of entertainment such as TV or music videos. On the other hand, the lecturer rebuts this, arguing that contemporary people are still exposed to cultural learning even without literature. In fact, music or movies are meaningful because some of them directly speak more about culture, which enables people to learn culture.
The final point of contention is who is responsible for the decline of literature. The article states that the decline of readers has caused less investment by publishers in literature, which continues as a negative cycle. By contrast, the lecturer believes that it is not necessarily readers who are responsible for the phenomenon. Rather, she blames authors of literature because some of their works are hard to understand. She assumes that people in the past did not read such esoteric literature.
構成の必勝パターン
- 【イントロ⇒Body①⇒Body②⇒Body③】4段落構成を基本とする
- イントロは2文から3文程度でテンプレ的にReadingとListeningの立場を表明
- 各BodyではReadingとListeningの主張は1:2、もしくは2:3の黄金比を守る
- 【論点となっているポイント⇒Readingの主張⇒Listeningの主張】の流れで各Bodyを展開する
ちなみに結論の段落は、特に必要ないとされています。
書いても減点にはなりませんが、加点要素ではありませんので、時間を使ってまで書くメリットが特にありません。その分の時間をBodyに充てましょう。
問題の形式として、Readingではある主張をして、その根拠としてポイントを3つ挙げます、それに対してListeningでは、それぞれのポイントを論破しながら反論していく形式です。
なので、「The articleは○○と主張している。それに対して、The lecturerは●●と主張している。」という展開でBodyを3つ書いていくことが一般的な書き方です。
ちなみに皆さんはTask1の質問を正確に理解しているでしょうか?
なぜReadingの内容とListeningの内容の配分を気にする必要があるのか、質問を改めて読んでみることで方向性がわかります。
Summarize the points made in the lecture, being sure to explain how they oppose specific points made in the reading passage.
講義のポイントをまとめなさい。その際に、Reading内にある特定のポイントに対して、両者がどのように反対意見を述べているか留意しなさい。
あくまでポイントはListeningの内容をまとめることです。
なので、必然的に書く内容もListeningを多めに書かなければ、そもそもタスクをこなすことができていませんよね。すでに自分で問題に取り組んでいる方は、自分が書いた文章のReadingとListeningの割合を確認してみてください。黄金比にもとづいて書くことができていますか?
ちなみに私のサンプルアンサーの2つ目のBodyを見てみましょう。
わかりやすくReadingの内容は青、Listeningの内容は緑でハイライトしてみると、配分はReadingが29単語、Listeningが43単語でした。もちろんListeningのスキルに依存する部分ではありますが、単語数に関わらずReadingとListeningの割合はしっかり意識したいですね。
The next contradictory point is how people spend time. The article claims that the less time people spend for reading literature, the more time they spend for on trivial forms of entertainment such as TV or music videos. On the other hand, the lecturer rebuts this, arguing that contemporary people are still exposed to cultural learning even without literature. In fact, music or movies are meaningful because some of them directly speak more about culture, which enables people to learn culture.
時間配分の必勝パターン
- イントロ(2分~3分)
- 各Body(5分×3)
- 余った時間で見直し
Task1でスコアアップするためには、BodyでReadingとListeningの内容をしっかり展開させる必要があります。そこで、骨組みになるテンプレート的な展開パターンはしっかり定着させておきましょう。サンプルのハイライトされている箇所はテンプレート的に使用可能です。
『時間をかければ、書ける』という状態ではスコアにはつながりません。
本番ではこれを20分で書く必要があるからです。なので、展開の仕方や、表現方法のパターンをしっかり自分のものにすることが必要です。
テンプレートはあくまで時間内にスムーズにタスクをこなすための仕組みだと思っておきましょう。
まとめ
今回お伝えした内容、参考になったでしょうか?
サンプルの内容もマネしながら、皆さんも実際に手を動かして書く練習をしてくださいね。
当たり前ですが、書く練習をしなければ書けるようにはなりません。
他にもお伝えできるコツはたくさんあるのですが、いったん今回はここまでにして、次回はTask2の必勝パターンをサンプルアンサーとともにお伝えしますね。
ちなみにTOEFLの教材に関してですが、問題の質としてはやはりETSが出している以下の公式教材を使用することをおススメします。紙版は死ぬほどレイアウトが見にくいことで評判ですが、Digital Codeを使用することで、PC上で練習ができるのでとても便利です。
ではまた次回をお楽しみに。