成長実感は感じるのではなく、探すもの!(後編)

この記事はこんな方におススメ!
  • 英語の上達を感じられず、モチベーションが下がっている方

ご覧いただきありがとうございます。英語教育者の永田勝也です。
モチベーションはすべての英語学習者の方が抱える悩みです。そんなお話を前回はしました。
今回は後編ということで、前回の続きからスタートです。

「勉強をしているものの、成長実感が感じられない・・・」

こんなお悩み、ありませんか?
目標に向かい、せっかく行動に移して勉強しているのに成果を感じられない。
こんな状態だと、勉強をやめたくなってしまいますよね。

今回は成長実感の見つけ方という観点でお伝えします。
そうなんです。成長実感は自然に感じられるものではありません。
自分で見つけるものであり、さらに言えば作り出すものなんです。

ちなみにまだ前編をご覧になっていないという方はこちらからどうぞ。

前回の内容のおさらい

  • モチベーションは感情の一部であるので、自分でコントロール可能
  • モチベーションそのものも大きくわけて外発的なもの(have to)と内発的(want to)なものがある
  • 行動しなければモチベーションは生まれないので、とにかくまずは実践することが大切

成長実感の作り方

「自分は本当に英語力が身についているのだろうか。」

このような達成感や成長実感に関する悩みは、学習者の方から聞かない日はありません・・・。
多かれ少なかれ、誰もが経験している内容ですし、今後学習を続けるモチベーションに非常に大きな影響がありますよね。
成長実感がなければ、結果的に学習そのものに楽しさを見出すことも難しいですし、内発的なモチベーションにつなげることができません。

内発的なモチベーションである『want to』は、自分の成長実感が大きな役割を果たしています。
なぜなら、成長実感がなければ学習を楽しいと思うこともできないですし、何より目標に近づいていく感覚がなくなってしまうからです。
結果的に、途中で学習を投げ出してしまう可能性があります。

ここで、1つ大切な概念として自己効力感(Self-Efficacy)というものをご紹介します。
コーチングにおいても、また、自己調整学習においても重要な役割を果たす考え方です。

自己効力感またはセルフ・エフィカシーとは、自分がある状況において必要な行動をうまく遂行できると、自分の可能性を認知していること。
カナダ人心理学者アルバート・バンデューラが提唱した。自己効力や自己可能感などと訳されることもある。

Wikipedia参照

要するに、『自分は○○ができる!』と思えることです。
人間はだれしもできないことに不安を覚えます。だからこそ、『自分はできる!』という感覚は大切なのです。
そしてそれが、もっと行動を促す内発的なモチベーションへとつながっています。

そこで、成長実感を作るためのポイントを2つご紹介します。

ポイント①:具体的な目標

目標設定をするなら、達成したい目標が具体的であればあるほど良いですね。
例えば、以下のような2パターンの学習者を想像してみましょう。

松坂さん

ビジネス英語が話せるようになりたいんです。

島田さん

海外支社のメンバーと製品の販売状況に関しての英語会議に参加できるようになりたいんです。
相手の言っていることが理解できて、自分の意見もデータとともに臆せず言えるようになりたいと思っています。

松坂さんも島田さんも、どちらもビジネス英語という大枠は同じです。
しかし、松坂さんのような抽象度が高い目標だと、具体的に何ができれば目標が達成できたといえるのか、そんなマイルストーン(指標)を設定することができません。
そのため、具体的な練習方法もわからないので、結局何をすればいいか具体的な行動に結びつきづらくなってしまいます。
結果的に目標達成のための学習ができず、非効率な学習となってしまいますよね。
それによって、学習をしてみたものの、成長実感がなく諦めてしまう可能性が高いです。

それに対して、島田さんは松坂さんに比べると目標の具体化はできています。
まだまだ抽象度は高いものの、それでも必要な英語の場面として、製品の販売状況ということがわかっていますし、身に着けるべき英語のスキルもリスニングとスピーキングだとはっきりしています。

実際にここから、どんな事前知識が必要か(製品そのものの知識は十分か、海外の販売状況に対して事前に入手できる情報はあるか、など)、英語力と英語力以外の視点で考え、対策を練ることができます。
そこまで具体的なアクションに落とし込むことができれば、それによる成果を正しく検証することができそうです。

極端な例ではあるものの、具体的な目標は具体的な練習方法につながり、進捗の振り返りもその指標をもとに正しく実施が可能になります。
結果的に学習サイクルとしてPDCAを回していくことができます。

ポイント②:振り返りの習慣化

「本当にこの勉強でいいんだろうか・・・。」

ただ学習をし続けるだけでは、自分の学習が正しいのか判断できず、こんな不安な気持ちになることもあるかもしれません。
正しい学習方法を選ぶことはもちろん大切なのですが、正しいか正しくないかはやってみないとわからないこともたくさんあります。

なので、自分が進めてきた学習を時には立ち止まって振り返ってみる。
そして、その学習方法と結果を確認し、評価する。
さらに、より良い学習のために改善を必要であれば加える。

こんな学習サイクルを作るうえで、振り返りは必ず必要な習慣です。
ちなみに振り返って評価するというと、できなかったことばかりに目を向けがちですが、決してそうではありません。

例えば島田さんの例にとって考えてみましょう。

島田さん

目標に対してここまでの学習の成果を振り返ってみます。
売り上げの数値に影響を与えた原因の考察に関するディスカッションにはまだまだついていけない部分はありましたが、売り上げの数値は事前に共有をもらっていたので会議でもしっかり理解でき、意見も何とか発言できました。
これは良かったことだと思います。
あとは話慣れていなかったので、ぎこちない発言だったのは、今後に向けて改善できることだと思います。

このように部分的にでも出来たこと、すなわち自分の成果を見ることができます。
そして、このためには当然ながら具体的な目標がなければ、評価として振り返る指標がないことになってしまいます。
成長実感と目標はセットで考えなければなりません。

また、評価として振り返りをしていく中で、成長実感が定量的か定性的かは問題ではありません。
定量的な成長にこだわる方もいるかもしれませんが、すべてを定量化できるわけではありませんし、数値として表れるタイミングもコントロールできない可能性があります。

大切なのは、自分ができたことを見つめ返すこと。
それが自信となり自己効力感につながるのです。できなかったことがあったとしても、自己効力感があれば今後どうすればよいか、という未来につながるポジティブな内容になります。
結果として、学習のPDCAが正しく回せます。

学習の行動に移す段階では、ペナルティやご褒美などの外発的なモチベーションをものでかまいません。
仮にそれが短期間しか有効でないとしても、まず始めることが大切です。そんなお話をしましたね。
そして、一度始めてしまえば、どう継続していけるか考えるのみ。

そこで大切なのが具体的な目標設定と振り返りの習慣というわけです。
そうして見つけた自分の成長は、必ず自分の自信となり、自己効力感を高めてくれます。
自分が階段を上っていくイメージができれば、いつの間にか学習が楽しいと思えるようになるかもしれません。
このような学習の楽しさに目を向けられるのも、内発的モチベーションにつながる大切なポイントです。

まとめ

成長実感の見つけ方、しっかり理解いただけたでしょうか。
ここで皆さんに改めてお伝えしたいことは、ただ闇雲に学習を続けていても、自分の成長は勝手に見つかるものではないということです。

自分の成長を見つけるのは他でもない自分自身です。
そして、そのためには具体的な目標設定と振り返りの習慣が欠かせません。

そして、実はこの具体的な目標設定や振り返りというのも、なかなか一人でできる方はいないはずです。
特に目標設定は、自分の能力や求められる力を客観的に把握している必要があります。
これはコーチングや自己調整学習において、『メタ認知』という重要なキーワードになっています。

そして、そんな一人ではできないことをサポートする役割が英語コーチングだと思います。
長くなりそうなので、いったん本編はここまでにしましょう。(笑)
またどんどんコーチングの観点からも記事を出していきますね。ではまた次回をお楽しみに。