雰囲気で理解はダメ!?~リスニング編Part2~

この記事はこんな方におススメ!
  • リスニングでなかなか聞き取れず、困っている方
  • リスニングが上達する科学的な仕組みを理解したい方

ご覧いただきありがとうございます。英語教育者の永田勝也です。
たくさんの方に好評をいただいた前回のリスニングに関する記事から、今回はさらにさらに踏み込んでいきます!
第二言語習得論という科学的な観点も交えて新たな質問にお答えしていきますね。
ちなみに、まだ前回の記事を読んでいないという方は、こちらからどうぞ!

こちらは前回のおさらいです。
リスニングの仕組みに焦点をあて、『音声知覚』と『意味理解』を一緒に確認しました。

音声知覚とは、単語を単語として認識すること。
音と文字が一致していなければ、頭の中でBGMとして流れていってしまい、当然意味の理解もできない。

意味理解とは、認識した単語の意味を正しく理解すること。
単語に限らず、文全体の意味ももちろん意味理解にあてはまる。

今回はここからさらに踏み込んで考えましょう。

「音は認識できているけど、『なんとなく』や『雰囲気』でしか意味がわかっていない・・・」

「『なんとなく』『雰囲気』リスニングに対して、具体的な対策を知りたい!」

これらの質問、しっかりお答えしますよ!
前回もお伝えしましたが、リスニングは英会話をするにしても必ず必要なスキルです。
リスニングのレベルアップなくして、英語力向上はありません。

この記事を参考にリスニングが苦手な原因、必ず突き止めましょう。
原因がわかれば対策ができるので、必ず上達できますよ♪

では始めましょう!

質問1.音声知覚で発音以外で聞けない原因とは?

前回質問をくださった吉田さん。
感じているリスニングの課題は、以下のようなものでした。

仕事で英語が必要な吉田さん

個々の単語の発音はわかるものの、文になったときに英語が聞き取れません・・・。

そこで、吉田さんの解決策として英語の音声変化のルールの理解を提案しました。
しかしながら、音が聞き取れない音声知覚に対しての課題の原因は、発音や音声変化だけではありません。
それはズバリ、知識の不足です。

今回下記のご質問をくださった林さんのように、『雰囲気』や『なんとなく』で理解している方、多くいらっしゃると思います。

大学の英語の講義で苦戦している林さん

初めまして、大学生の林です。
私もリスニングに困っています・・・。リスニングで聞いたときはなんとなく理解できている感じなんですが、結局聞き終わったあとに

「何の話だったっけ?」

という状態になってしまいます。単語が聞き取れていないんでしょうか?

【ポイント】わからない単語や文法は、何度聞いてもわからないまま!

無意識で音や意味が確実に理解できるなら大丈夫ですが、文字で見たときにわからないレベルであれば、注意が必要です。
そもそもリスニングにおいて、単語を単語として認識するためには、その単語自体を知っていなければ当然できないですね。

知らない単語が多くなればなるほど、BGMとして聞き流してしまいます。
知っていることは聞けるけど、知らないことは聞けない。当たり前かもしれませんが、リスニングの原理原則です。

想像してみてください。
いきなりスワヒリ語の会話を聞いても、謎のBGMにしか感じられないですよね。(笑)
知らないものは、意味を考えるというステップに、そもそもたどり着けません。

「前後の文脈で意味を推測すれば大丈夫!」と思われる方もいるかもしれませんが、実はそれは非常に難しいことです。

若干うろ覚えですが、ある文章において意味がわからない1つの単語を推測するために、それ以外の単語をどの程度知っている必要があるかを調べた研究(リーディングを対象)もあるようです。

その研究によると、なんと全体の9割以上の単語を理解できていないと、意味がわからない1つの単語の意味を正しく推測できないそうです。そもそも前後で意味を推測したとしても、推測なのでその意味が本当に正しいかどうかはわかりませんよね。

つまり、リスニング対策とはいえ、単語暗記(イディオムなども含みます)からは避けて通れないということです。

大学の英語の講義で苦戦している林さん

じゃあ結局単語をしっかり覚えて、なんとなくの理解を潰しこまないといけないということですね。スクリプトの意味を細かく理解しようとすることは、確かにあまりやっていませんでした。

あのー、もう一つ聞いてもいいでしょうか。
その『なんとなく』理解しているところを効率よく発見する方法はありませんか?

質問2.『なんとなく』への具体的な対策とは?

早速ですが、便利な確認方法をご紹介します。
それは、『サイトトランスレーション』という方法です。(通称:サイトラ)

サイトラは同時通訳者の方が実践する練習方法で有名ですが、ざっとかいつまんで説明すると、

  1. 目で見た文を
  2. 意味のかたまりごとに
  3. 語順通りに
  4. 瞬時に
  5. 声に出して訳していく

こんな練習です。
ここでの『なんとなく』対策として有効な点は④瞬時に⑤声に出して訳していくという2つです。

瞬時に訳す

瞬時に日本語に訳していくと、いろいろなことに気づけます。
意味がパッとでてこなかったり、つまったりする。そんな場合は、暗記した単語がまだ定着していないということです。
リスニングの場面において、意味を考えて理解するという時間は可能な限り減らす必要があります。スピードが勝負ですからね。
サイトラによって、瞬時に意味が出てこない単語をあぶりだすことができます。
そして、それらの単語は暗記で定着させる必要があります。

声に出して訳す

これは百聞は一見に如かずということで、実際に次の英文を声に出してサイトラしてみてください。
わかりやすいように、意味のかたまりにスラッシュを入れています。
※頭の中で考えるのではダメですよ!必ず声に出しましょう。

The Founding Fathers is the name / given to the group of 7 men / who led the original colonies of North America in a revolution / against the British monarchy / in an attempt to gain autonomy.

これはTOEFLという英語の資格試験で扱われるようなレベルの文章なので、ちょっと難しかったかもしれません。
こんな極端に長くて難しい文でチャレンジする必要はないので安心してくださいね。(笑)
自分のレベルにあったものを選びましょう。

ここでお伝えしたかったのは、実際に声に出していくと頭の中で『なんとなく』わかっていたことは、意外と言葉にできないかも・・・と気づけるということです。
givenやagainstなど、わかっているようで実はわかっていなかった単語もあるかもしれません。

ちなみにサイトラで作る日本語訳は、きれいな日本語訳である必要はありません。
あくまで、自分の『なんとなく』に気づくための確認方法です。
『瞬時に』『声に出す』練習を通して、自分の『なんとなく』の知識を見つけ、暗記のやり直しにいかしましょう。

また、単語暗記の精度を上げるための方法ですが、超シンプルです。
それは次のような単語暗記の基準をしっかり作っておくこと。

単語暗記の基準

1秒以内に以下の3つがすぐわかること

  • 意味
  • 品詞
  • 発音

この単語暗記の基準は、私が英語コーチとして勤務している日本初の英語コーチングスクールプレゼンスでも実践している内容です。
どこまでこだわるかは、目指す英語のレベルにもよるのが本音です。
ですが、単語暗記はこのような明確な基準を作ることで、不必要に単語暗記に時間を使いすぎることも、中途半端に時間を使ってしまうこともなくります。

ちなみに暗記のコツは以下の記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてくださいね♪

まとめ

いかがだったでしょうか。
今回はリスニングに関して、しっかり音を認識するための発音以外の観点で質問にお答えしました。
『なんとなく』や『雰囲気』で理解した気になっていた単語、必ずあると思います。
そんな単語たちはサイトラであぶり出し、しっかりとした基準のもと単語暗記を進めていきましょう。
追加で質問などありましたら、SNSでいつでも教えてくださいね。
では次回をお楽しみに。